合成抵抗・分流・分圧

抵抗

合成抵抗という言葉があります。電気がイメージできたら、次は合成抵抗、電流の分流、電圧の分圧です。多分これが最初 の難関になると思います。まずは抵抗の合成について説明します。

上の図のように抵抗が2つあります。このような接続を「直列」と呼びます。この計算は 簡単です。上の図で説明すると、左右の抵抗値(Ω)をたせばいいのです。つまり合成抵抗 値は増えるのです。
1(Ω)+2(Ω)=3(Ω)
では次はどうでしょう。

上の図のような接続を「並列」と呼びます。抵抗がたくさんついてますが、こちらは合成 抵抗値は下がります。水のイメージを思い出して見ましょう。川幅が広い(抵抗が低い)と たくさんの水(電流)がながれました。上の図では川がたくさんあるとイメージできます。 川が1本のときよりも、どんなに川幅の狭い川でも上の図のように並列に追加すれば水の 流れる量は増えます。水の量が増えるということは、電流が増える。つまり合成抵抗は下がって いきます。

では合成抵抗の計算はどうなるのでしょうか?

少し複雑ですが、これはそのまま覚えて下さい。抵抗の逆数をたして戻すのです。 R1とかR2は抵抗値です。上の回路の抵抗値をそのまま代入して計算してみてください。 0.5(Ω)になりますね。ただ抵抗2個の並列の場合

こちらの公式が使えますので覚えておきましょう。この公式は上の公式のR3を消した ものを、そのまま計算するとできます。ただ並列接続が3個以上だと複雑になるので ここまで覚えましょう。

計算方法はいろいろありますが、まとめて3個同時に計算しなくても、まずR1とR2 を計算して、R1とR2の合成抵抗とR3を計算しても同じです。自分の覚えやすい方法で 計算しましょう。

分流

では次に電流の分流を見ていきたいと思います。下の図のような回路になります。

よく出る問題としては、電流を求める問題なのですが、まず「I」というのは回路全体に 流れている電流です。「I1」、「I2」はそれぞれの抵抗に流れている電流です。水の流れ を思い出しましょう。すると「I1」+「I2」は必ず「I」となります。

では「I」から「I1」の値を求めるのですが、これは水の流れのように抵抗の比率 になります。抵抗が高いほうが電流値は少なくなります。

I1=I・R2/(R1+R2)

今回はめんどくさかったのでそのままテキストで書いてしまいましたが、2個の抵抗のバランスに よって電流値が変わります

理解を深めるために、少し遊んでみましょう。まず左右にかかる電圧と、各抵抗値が 指示されているときまず「I」を求めます。

I=V/Rの合成抵抗

これで「I」が求められるので、「I1」も計算できます。でも少し頭をひねってみましょう。 左右の電圧が分かるのであれば抵抗「R1」にかかる電圧も分かります。「R1」と「R2」の両端 にかかる電圧は同じです。ということはそのまま

I1=V/R1

とすれば「I1」の電流は簡単に出てきます。同じ用に「I2」の電流を求めると

I=I1+I2

でIが出てきます。すると合成抵抗もR=V/Iで簡単に出てきます。

さて、ここではなぜこのような「遊び」を行なったのでしょう。それは問題の解き方は いろいろあるのです。1つの公式にとらわれて、公式通りのことしかできないようでは、電験三種 の問題を解くのは難しいでしょう。しっかりとイメージして理解すれば、解き方は当たり前のように いろいろと出てきます。公式を理解せずそのまま使うのではなく、しっかり理解して自分の一番解きやすい 形に持っていけるようになりましょう。

又、公式は公式であるのですが、使いやすいようにカスタマイズだってできます。参考書通り の勉強もいいのですが、たまにはこのような事をしてみると理解度も上がると思います。例えば 上のI1=I・R2/(R1+R2)の公式を何とかしてI1=V/R1の形に持っていくのです。 私は息抜きにこのようなこともやってました。

分圧

では次に分圧について見てみましょう。

次のような回路があるとします。この時「R1」と「R2」に流れる電流は同じです。 最初の川をイメージしましょう。川には分岐がないので狭くなった部分(抵抗)がたくさん あったとしても水の流れる量は同じですね。違っていたら大変です。同じように1本の 線に流れる電流が違うことはありません。

では電流値を求めてみましょう。合成抵抗はR1+R2なので

I=V/(R1+R2)

となります。簡単ですね。ですが「R1」と「R2」にかかる電圧は違います。R1を 通るとき、勢いが消費されるイメージです。これも比率です。

V1=V・R1/(R1+R2)

と求められます。ここでは分流と逆で、抵抗が高いほうが電圧が高くなります。 又、この値もいろいろな方法で計算できます。

V1=I・R1

Iは電流です。このように分流の時と同じように遊んでみてください。更に理解できる はずです。

補足ですが、例えば「R2」抵抗が無限に高い場合、表現が難しいかも知れませんが 断線している場合です。この場合「R1」の電圧はどうなるでしょうか?

答えは0Vです。無限大なので公式に入れるのは難しいと思いますが(私の学力では 良く分かりません)、抵抗の比率からみると0:10になるはずです。

水のイメージから見てみましょう。「R2」の抵抗が無限大ですから、その部分は 完全に川はなく水は流れていません。すると、「R2」の片方は水(電流)を流そうと して圧力がかかっていますが、もう片方は圧力がかかっていません。電圧とは互いの 圧力差ということを覚えておいてください。つまり「R2」には全ての圧力がかかって いますし、R1の両端の圧力は同じ(水=電流が流れてないから)なので圧力差は有りません 。よって電圧は0Vなのです。

何度も言いますが電気をよく理解することです。電験三種は計算問題も多くかなりの数学 の知識が必要なイメージがありますが、電気をよく理解すれば最低限の数学の知識だけで 挑戦できます。ちなみに私は数学の知識はほとんどありませんでした。電験二種になると 難しいのですが三種はまだなんとかなります。この項でのポイントはとにかく電気と公式 を理解することです。皆さんもがんばって理解しましょう。何事も最初が肝心です。

第二種電気工事士

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