三相交流回路の基礎

三相交流回路の基礎です。三相交流は単相交流とは違い、3本の線にそれぞれ交流電流が流れています。 そしてそれぞれの交流は位相は120°ずつずれています。下の図のような電圧波形になります。

三相波形

上の波形は、1本の線に流れている電圧波形ではなく、3本の線に流れている波形を同時に 表示したものです。それで正弦波が3個あるのです。この3本の線にかかっている電圧は、位相の 関係から合計するとゼロになります。つまり3本の線に流れる電流を合計するとゼロになります。 分かりにくいかもしれませんが、3本に流れる電流の方向が違うので、例えば2本は右方向でも、残り 1本は左方向となり、プラスとマイナスで差し引きゼロになります。

又、三相機器などは「3φ」等の表示がしてあります。ちなみに単相は「1φ」です。

スター結線、Δ結線

それでは三相交流回路の結線方式を見てみましょう。

スター結線

チョット画像が小さいのですが、上の左の画像から見てください。見えにくい場合は、画像を 右クリックして、「名前をつけて画像を保存」をクリックしてください。左の画像なのですが、単純に 交流回路が3個あります。それぞれの位相(交流波形のタイミング)が120°ずつずれています。

すると真ん中の3本の線に流れる電流の合計はゼロになります。つまり、右の画像のように それぞれの線を接続して真ん中の線を外すことができます。これがスター結線と呼ばれます。 スターといいますが「Y結線」と書きます。それではスター結線について見てみましょう。

スター結線

スター結線

三相交流回路では、このような回路の問題を解きます。左の交流マークが電源です。つまり 発生源が3個あります。右側が負荷になります。つまり三相モーター等です。それをつないで いる線が、真ん中の3本の線になります。三相は電線が3本あるのです。

この場合、上の図のVPのように、三相でも1つの負荷又は電源にかかる電圧を相電圧と 呼んでいます。そしてV1のようにそれぞれの電線間にかかる電圧を線電圧と呼びます。

上のようなスター結線が2個の配線は「Y−Y」等で表示されます。この結線方法の場合、 各負荷や電源にかかる電圧と、実際に電線にかかる電圧は違います。しかし電線に流れる電圧 と、三相の各負荷に流れる電流は同じになります。電源と書いていますが、実際はトランス (変圧器)になることが多いです。

公式

このような電圧になります。

デルタ結線

デルタ結線

このような形に配線することも出来ます。これをデルタ(Δ)結線と呼びます。電源側と 負荷側が両方ともΔなので、「Δ−Δ」と書きます。

この場合は、図を見れば分かるのですが、相電圧も線電圧も同じ値になります。しかし、電流が 変わってきます。

公式

このようになります。一応イメージとして、下の図のような配線になります。

三相イメージ

工場等を参考にすると、実際は6600Vで電柱より工場に引き込まれて、工場内の変圧器で 200Vに変圧されます。この部分がスター結線やデルタ結線です。工場内は三相(3本の電線) 配線され、ブレーカーなどを取り付け、その後に三相の負荷を取り付けます。

三相回路の電力

三相回路の電力は、各相の電力を単純に3倍すれば求められます。下記の公式のVとIは 相電圧と相電流です。

三相電力の公式

しかし実際の電圧や電流は線間電圧や線電流のため、スター結線であれば電圧を、デルタ結線であれば 電流を、√3で割る必要があります。すると下記のようになります。

三相電力の公式

三相の場合、スター結線でも、デルタ結線でも、線間電圧と線電流で求める場合√3を掛けることに なります。残りのcosθは単相交流の電力公式と同じです。

第二種電気工事士

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